鋳物加工について
鋳物(いもの)加工の前段階に、鋳物自体を作る鋳造(ちゅうぞう)という工程があります。主に鉄・アルミ合金・銅・真鍮などの金属材料を高温で溶解させ、砂などで作った鋳型(いがた)に流し込み冷やし固めることで目的の形状にする金属加工方法です。
特徴としては、作りたい形の金型さえ完成すれば複雑な形の製品も一から削り出すより、比較的安価で効率的に大量生産ができるのが長所で、短所は金型を作る時にコストがかかる事と寸法にズレが出やすい事です。そのため追加で、形を整えて寸法を出したり穴あけ加工をするために機械加工をする(鋳物加工)場合がほとんどです。
身の回りの鋳物製品
自動車・鉄道・飛行機の車輪用部品のブレーキ、エンジン周りの部品、産業用機械に頻繁に使用されます。また、日常的に使用する身の回りの製品も鋳造によって製造されることが多く、ストーブやガス機器などの暖房機器やマンホールの蓋や郵便ポスト、公園や寺院のフェンスやベンチ、釣鐘等の建築関係の製品もその例として挙げられます。
鋳物の切削加工をするところが少ない理由
メリットの多い鋳物ですが、年々鋳物の機械加工をするところが減っています。
その原因は、
1つ目には、加工時に細かい粉が出ることによっての様々な影響が出ることです、粉を吸い込むことによっての健康被害や加工工具や加工機械自体に悪影響が出て寿命を縮める事があります。
2つ目には、鋳物自体の多少のズレがあることによって、そこを考慮して加工法を考えたりして寸法を出さないといけないところです。
3つ目には、形状によってはそのための特殊な治具(材料を固定するために支える道具等)を用意しないといけないところです。
4つ目には、形状によっては、作業者が治具でしっかりとつかまれているか一つ一つ確認しないといけないため、昨今の自動化・無人化に不向きであることです。